三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

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尊と向かい合わせで寝ながら、額の痛みに目を瞑って耐えていたら、 「いっちゃん……」 尊に呼ばれた。 「なに?」 目を開けると、尊は辛そうな顔をしていた。 あぁ、あの事か……。 やっぱり尊には、バレちゃうか……。 「いっちゃん、話して?」 「和美を……叩いた……」 「いっちゃんが?」 うん、と頷くと、尊は俺の頭を優しく撫で出した。 「どんな風に?」 「和美が伸ばしてきた手をね、叩き払った」 答えた瞬間、尊が固まった。 「たけちゃん?」 呼び掛けると、尊は溜め息ついて脱力する。 「いっちゃん……それは 『叩いた』 うちに入らないと思うけど……」 えっ? 「でも、ぱしって」 「小さい頃、摘まみ食いして母さんにぺちってされたのと、似た様なものだと思うのだけど?」 えーと、それじゃ…… 「和美に手を上げた事に……ならない?」 「ならないと思うし、和美ちゃんも手を上げられたとは思ってないよ、きっと」 「本当?」 「本当」 全身から力が抜けて……ほっとした。 俺は、約束を破ってなかった!!
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