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「いっちゃん……まだあるよね?」
尊は、なんだか、ちょっと強くなった?
「たけちゃん……少したか兄みたいだ」
尊は笑った。
やっぱり、ふんわりした笑顔で、笑う。
変わらない笑顔なのに、少し男らしく見える。
「昨日、いっちゃんが帰った後、たく兄に叩き込まれたんだ」
「何を?」
「ボケを治す事」
ぬあんですと!?
たった一晩で、ボケ体質から脱却出来るのか!?
だったら俺も――
「いっちゃんには無理!」
俺が何か言うよりも早く、尊に遮られてしまった!!
「それに、俺も付け焼き刃だから、直ぐにぼろが出るよ?」
それよりも、と尊は俺に説明を求める。
「約束……だったの」
「約束? 誰と?」
「覚えてない」
和美に手を上げない事、母さんと和美を守る事を誰かと約束した――と教えると、尊は考え込んだ。
「一番可能性が有るのは、やっぱりいっちゃんのお父さんだろうけど、保留だね?」
「うん、母さんと和美に訊けば解るかもしれないけど……」
ああ、自分の頭の悪さに、頭にくる!!
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