一章 陽良

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  「…泣かないんだな。お前、あいつと仲良かっただろ?」 ぼくの隣に来るなり夕闇(ユウヤミ)が話しかけてきた。 「うん。大好きだった。…だからこそ、泣いちゃいけない。」 そう言ってぼくは無理やり作った笑顔を夕闇に向けた。 夕闇は小さく溜息をついたあと、ポンポンとぼくの頭を軽く叩いて「あんま、無理するなよ」と言った。 「…夕闇。ぼくのこと子供扱いしすぎ。一歳しか違わないんだよ?」 頭をポンポンと叩かれ、心配されたことが悔しくて、ぼくは頬を膨らませながら言った。  
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