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体に痛みを感じて
意識が覚醒してくる
「またやった;」
書きかけの絵の前で
胡坐かいて寝てた
立ち上がり体を伸ばして
窓辺に近づくと
いつもの夜より明るく感じた
窓を開け冷たい空気を感じて
目を覚ます
「きれいだな…愁くんみてえだ」
『ここにいるよ』って
示してくれてる姿がさ…
尻のポケットから
携帯を取り出し
待ち受けを確認したら
デジタルの時計は02:43――
「もう…帰ってるよな?」
そんな事を思っていたら
握ってた携帯がメールを受信した
『キレイだね』
簡単なメールと
今見てるのと同じ夜空
今から一緒に見れば良くないか?
『さ、悟くん?
起こした?ごめんね』
「ううん、起きてた
終わった?」
「うん、メールありがと」
「愁くん…来る?」
『…うん』
「待ってる」
さて
冷えてしまった体を
温めてやらなきゃ
風呂に湯を溜めてやって
湯上がりに眺めて
ほんの短い時間かも知れないけど
腕の中で眠らせたい
そんな事を思いながら
月を見上げる
たぶん君も見てるんだろうな
ソワソワしてる姿が浮かんで
顔が緩んでしまう
end
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