キラキラ

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…あれ?冷たい 確か隣で寝てたはずだよな? 「しゅー?」 呼んでも返ってこない返事 どこに行ったんだろ? 探しに行くかって体を起こしたら 開いた扉 「あ、悟くん」 「どこ行ってたんだ?」 「あのね、にながね?」 「ニナ?」 なんか嫌な予感 「うん、みんな飲んでるから部屋おいで、って言ってきたから」 「行ったの?」 「うん、だけどすぐ帰ってきたよ? 悟くんがもし起きたらいけないし」 首を傾げて見下ろしてきた その顔…ヤバい 「ニナの他に誰が居た?」 「えっと…駿」 「だけ?」 「うん、俺が行く前に自分達の部屋に帰っちゃったんだって」 あいつら… 酔わせて何する気たったんだ? 「ね、お風呂入ろ?」 「いつもは嫌がんのに?」 「んー、だって…」 モジモジと何か落ち着かないでいるから 立ったままの愁くんの腕を引っ張った 「ひゃっ!?」 「どした?」 「あっ……」 耳に態と息を吹き掛けると ビクッと体を震わせる 「ちょっ、やぁ…」 「風呂入ったってするんだし 別によくねえ?」 「あぅ…しない、しないもん!」 ぎゅーって腕を突っ張って 体を離そうとするから こちらも腕に力を入れて抱きしめた 「痛い!痛いよ、バカ!」 本格的に嫌がって涙声になってきた 「ごめんって、泣くなよ」 「もうやだ…」 「じゃあ、ニナんとこで寝るか?」 「それ、やだ」 嫌だとしか言わない愁くんの 機嫌が直るように 背中を擦って落ち着かせる 「悟くん…」 「ん?」 「あのね、有間ちゃんがね」 「うん」 「お風呂に入れる照明くれたの」 「…で、一緒に入りたかった?」 「うん、綺麗なんだって」 そんなもん家に帰ってからで良いんじゃないかって思ったけど それに気づかないぐらい気になるんだろうな 一人で入るんじゃなくて 俺を誘うってところが なんか嬉しい 「じゃあ、お湯入れておいで?」 「ん?…うん!」 嬉しそうに小走りでバスルームまで行った彼の後には 尻尾が付いてるかもしれない .
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