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漂う波に寄り添う花は
あまりにも脆く儚く散ってゆく
命の灯は
吹くだけで消えてしまいそうな程
重い記憶を背負い
誓いの羽織を羽織り
いばらの道を裸足で歩く
夢見た日々は跡形もなく消え
最期の言葉すら波にのまれた
行方を知ることなく
最期の時すら看取らしてくれる事もなく
ただひたすらに隠された
全てを我が知るときは
全てが終わりを告げていた
硝子の瓶に囚われ咲いた
一輪の花は
誰にも見守られる事なく
静かに終わりを告げた
春の夜に咲く、桜の花は
消えるように散っていく
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