空の彼方に

死

最後に残された文(ﾌﾐ)
何も感じる事なく
ただ言の葉を追ってゆく
泡沫の繚乱物語
宵月に紅染めの月華が咲き
命の灯籠ともし
紅差す華を護り賜ふ 枯れて尚
硝子の瓶に囚われ咲いた
一輪の凄惨な過去を露に溶かして
禊ぎの蜜に誘われし蝶
苟の縁でも美しく