猫の私とお買い物と旧友

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結局私はスーパーに戻りご主人が出てくるまで近くの塀で寝て待つことにした。 だんだんスーパーに入って行く人が数が多くなってきた。 (もうすぐあの地獄が始まるのね) 地獄の中に入ったことはないが人がひしめき合っているのは見たことがある。 その中にご主人がいると思うと少し、あくまで少し心配になる。 ちなみに、 ご主人は地獄から帰って来ると五歳ほど老ける。 気持ちよく寝ようとした時後ろから声が聞こえた。 ※以後猫語を翻訳しています 〈ちょっとあなた~。そこで何してるの?そこはあたしの場所だよ~!!〉 〈!!!〉 予期せぬタイミングで声かけられ慌てて後ろを振り向く。 すると、 そこには見覚えのある白い毛を纏ったスラッと細い猫がいた。 野良猫界で知らない者はいないほど美しいといわれるその猫--白き天使ことレーナだ。 〈あら?久しぶりね、レーナ。元気してた?〉 私が声を返すとレーナは一瞬?を浮かべたがすぐに閃いたような顔した。 〈もしかしてナーシャ~?!〉 良かった覚えていてくれたらしい。 彼女とは私が小さい時からの知り合いで一緒に魚を盗んだりした。 『ナーシャ』というのは名前のなかった私に彼女が付けた名前だ。 名前がない→名無し→ナーシャ らしい。 ご主人にはこの名前を教えている。 呼ばれたことはないが。 〈ええ、そのまさかよ〉 〈やっぱり~!! 良かった~。最近会ってなかったから心配したんだよ~~〉 彼女は満面の笑みで私に近付こうとした。 が、 彼女はあることに気付いた。 〈ねぇ、それって首輪?〉 〈えっ。えぇ‥‥〉 そう答えると彼女は一変し暗い表情になった。 マイナスの感情になると彼女は口癖が消える。 〈ナーシャ、飼い猫になっちゃったの?〉 〈‥‥‥〉 何も言えなかった。 彼女は小さい時に捨てられ、その経験からかなり人間を毛嫌いしている。 私は彼女が毛嫌いする人間の所有物となっている。 そんな風になるのは無理もない。 〈そっか、ナーシャも人間の方が良かったんだ‥‥‥〉 〈待って!話を聞いて!〉 〈人間と関係を持った猫の話なんて聞きたくない!!〉 そう言うと彼女は走り去った。 私は何も出来ず立ち尽くした。
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