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私はぼんやりとスーパーを眺めながら、レーナのことを考えていた。
(どうしよう‥‥。たった一人の親友なのに‥‥。
けど、多分もう話かけても聞く耳を持ってはくれないかも‥‥‥‥‥)
「おい。何ちゅう顔しとんねん」
いつの間にかまだ高かった日が西に傾きだし世界が少し朱に染まろうとしていた。
そんな中ご主人はいつものように老けた顔をしながら問いかけた。
『ぁっ‥‥。ご主人‥‥‥』
私は間抜けな声をご主人に返した。
「それこそお前らしくないなぁ。何かあったんか?」
私は答えずご主人のマンションへと歩き出した。
「おい!シカトかい!」
ご主人は急いで私と並び、問いかけた。
「俺がおらん間に何があってん!?」
『‥‥‥』
「ガキにでもいじめられたんか?」
『‥‥‥』
「『‥‥‥』」
遂に二人共が黙ってしまった。
マンションにはすぐ着き部屋に入った。
「『‥‥‥』」
しばらく二人の間に言葉が飛ぶことはなかった。
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