猫の私とご主人の友達

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私達はさっきのやり取りの後は何話さず歩いた。 ご主人としては決戦前は集中するため黙り込む。 最近は負け続けているらしくかなり気合いをいれていた。 (結局の所二人は両思いでいいのかしら?ご主人は諦めたとは言っているけれど嘘かもしれないし) ご主人の意識は後少しで着くスーパーにのみ集中していた。 何故かゾンビのように手をぶらぶらさせていたが無視した。 (どうでもいいとは思ったけど、二人がこのままの関係で居続けるのは居心地が良くないわ) 学校帰りの小学生がご主人を「ゾンビだ!!」と言ったが無視した。 小学生の無神経さは気に入らない。 (けれど、話せることを明かすわけにはいかないし。まずはご主人の誤解を解くことが先決ね) 二人はついにスーパーに着いた。 中ではタイムセールを今か今かと目を光らせながら待つおばちゃん達で埋め尽くされていた。 「(パシッ)よし。行ってくる」 ご主人は勢いよく頬を叩くとスーパーを見据えて店内へ向かった。 (生きて帰ってきなさいよ) ご主人が店内に消えて間もなく死闘が始まり、店外にまで悲鳴が溢れた。 今日のご主人は10歳は老けるだろう。 私は塀の上に寝ようとした時、ここが昨日と同じことを思い出し慌ててその場を去った。 今日は小学生がいなかったため近くの公園で寝ることにした。 かなり彼女に弄ばされたせいで直ぐに眠りについた。 傾ききらない日の周りにうっすら虹が出来ていた。 近々雨が降るだろう。 知ってか知らずか今は蝉が鳴いていなかった。 第3話Fin
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