猫の私と出会い

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数十分後夏にもかかわらず湯気をたてながら私は異様に大きいソファの上で男を見下した。 当の男は体中に爪痕を残し私に向かって土下座していた。 数十分前。 水が跳ねた後私が男に飛びかかり胸から腹までを引っ掻いた。 男は悲鳴を上げ私からの二発目の引っ掻きを背中にまともに受けた。 そのまま痛みで男は膝をついた。 後は勢いに任せるのみ。 私は痛がる男に容赦なく攻撃を加えた。 元々Sっけがあった為痛めつける行動に抵抗はない。 私は勝負に勝利した。 『分かった?私に刃向かうなんて100年早いのよ♪』 「調子乗ってすいませんでした」 私はこいつを痛めつけたことと体の爽快感で最高の気分だった。 『で、これからのことだけれど、まず、あんた私の下僕になりなさい』 その言葉に驚き男は私をジ○イアンを見るのび○のごとく見た。 落ちていたド○えもんを見たことがあったが実際に見ると哀れなものだ。 「それだけは勘弁してください」 そう言うと男は床にめり込むぐらい頭を下げた。 (あぁ‥‥‥。気持ちいいわ) しかし、 逆にむしろ私を調子づける結果となった。 「ご飯や遊び相手ならいくらでもさせて頂きます。だから、下僕だけは勘弁してください。社会的に生きていけなくなります」 正直社会なんぞ猫の私にとってはどうでもいい。 しかし、 生きていけなくなられるのはいただけない。 『う……む………』 私が返答に悩んでいると男はどこから持ち出したのか人工猫じゃらしを土下座の姿勢でゆらゆらと揺らし始めた。 (ふん、そんな手にのるとでも思ったか。のるわけ…なかろう。そんな……簡単な………罠に……………) 猫じゃらしに夢中になってしまった‥‥‥。 この私一生の不覚。 作られたものだと分かっていた、罠であることは分かっていた、でも、本能には勝てなかった‥‥‥。 坂本○んの気持ちが痛いほど分かった瞬間だった。
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