動き出す歯車

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「ゴキブリすげぇ。俺達も少しは見習うべきかもしんねぇなぁ‥……ってなるかぁぁぁ!!だからどうした!!ゴキブリについて聞かされてたけど、だから何!?んなことはどうでも良いんだよ!!アイツらがどんなに凄いかなんて興味ね~よ!!何で部屋をメチャクチャにしなきゃならなかったんだって聞いてんだよ!!」 「分かんない?部屋の模様変えだよ!!」 「こんな雑な模様変え見たことね~よ!!ただ単に散らかしただけだろ!!どうすんだよ、コレ」 「まぁ、片づければどうにかなるって。じゃ、ガンバ」 「まずテメーからかたずけてやろうか、ン?」 結局、散らかった部屋を片づける役目を押し付けられ、1時間かけて元に戻すハメになった。自分の家の物は、自分が一番覚えるものだ。アイツに任せておいたら、どこに何があるのかサッパリ分からなくなってしまうだろう、と判断したのだった。 ちなみにゴキブリを撃破した勇者、もとい部屋を荒らした張本人はどこかへ行ってしまった。 「手伝え」と言われたものの、 「こんな非力な子供に重労働させるなんて、鬼!!悪魔!!」 などと言って逃げおおせたのだった。 ようやく片付け終えた男はイスに座り、テーブルに張り付いた。休日の朝っぱらから一仕事したのだから、当然といえば当然だろう。今すぐにでもベットに戻って眠りたい気分だが、もうすぐ昼というこの時間帯ではその夢も叶わない。 あえなく砕け散った幻想に涙が出そうになったが、嘆いた所で過ぎ去った時が戻って来ることはない。仕方無く重い腰を上げ、食事にすることにした。 いちいち作るのもまどろっこしいので、手早くインスタントで済ませることにした。 キッチンに入り、インスタントラーメンを床下の保管庫から引っ張り出す。ラップを取り、お湯を入れてタイマーを3分にセットする。 待っている時間も惜しいので、前日作り冷蔵庫に入れていたサラダと魚を取り出す。続いて、炊飯器から茶碗にご飯をよそい、最後にお茶をコップに注げば準備完了!! かくして、男の3分ぐらいクッキングは終了したのであった。 我ながら、なかなかの昼飯を用意したことに満足していると、凄いスピードでリビングに男の子が突っ込んで来た。 何度か鼻で匂いを嗅ぐと言った。 「2階のトイレから感じた匂いはこれか!!」 「いや、警察犬かオマエは!!どっから匂いを嗅ぎとってんだよ!!」
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