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「フフフフフ。僕に黙って食べようったって、そうはいかないぜ。こういったことには、昔から敏感なんでね。」
「単に食欲旺盛なだけだろうがぁぁぁ!!忘れたとは言わせねぇぞ!!お前がこの間
『あ、何か良い匂いする。』
って言って見知らぬ人のスパゲティ食ってただろ!!」
「正確には、スパゲティとポテトとピザだぜ!!」
「余計にたち悪いわ!!どんだけ食ったのお前!!笑って許して貰ったから良かったものの、結局4、5000円余計な出費したんだぞ!!」
「『食』とは、人類が遥か太古より行って来た力を回復させるためのモノ。食する事で元気になり、元気になる事で狩りをし、狩りをする事で食する。
そう!!食すると言うことは、即ち生きると言うことなのだぁぁぁ!!」
「え、何?何でどこぞの教授みたいな話し口調になってんの?」
「我々人類の祖先は生きるために必死だった。毎日毎日、生きるために動物を狩りクタクタになって帰って来て、家族と食料を食らう。そしてまた狩りに出かける。
だが、いつも獲物が取れるという訳では無い。食料が無ければ、空腹になり力が入らない。力が入らなければ、次の狩りで獲物を仕留める確率が下がってしまう。
つまり、太古の人々にとって『食』とは明日、自分が生きるか死ぬかを決める、他の何にも変える事の出来無い最も大切な習慣だったのだぁぁぁ!!」
「うん、それは分かった。分かったんだけど、何で教授が講議してるみたいな感じになってんの?」
「しかぁぁぁ~し!!文化が発達するにつれ食料を自分達で作る様になると、狩りにわざわざ出かけることも少なくなった。
やがて時は流れ現在に至る訳だが、ここで一つの疑問を抱かずにはいられないのだ。
近年、食事に対して失礼な人間が増えていないか? 、と。」
「え?いや、急にそんなこと言われても……」
「我々の祖先にとって、食することが明日を生きるために必要だった。しかし、現在我々は食することに対して悲観的になっている。
便利になり過ぎた社会が、人間の食料に対する感謝と喜びを失わせつつあるのだ!!」
「まぁ、言われてみればそうかもしんないけど……」
「平気に残したり、食べられないからと言って捨てるヤツがいる!!生きるために、頂く食料に対してこの上ない感謝をしていた祖先達の頃とは比べモノにならない程、現在の食料に対する感謝は損なわれているのだ!!」
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