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「あのさ、これいつまで続くの?そろそろ、俺聞くの止めたくなってきたんだけど……」
「こんなことがあって良いのか!?我々が今生きていられるのは、食料のおかげだと言うのに!!許されるのかこの様な行いが!?」
「いや、そりゃどうかとは思うけどさ……」
「私は断固としてこれを許さない!!腐敗し堕落した現代の人間を嫌悪する!!食料に対して、尊厳を持ち合わせ無いなど愚の骨頂。そんな人間など生きる価値はない!!」
「え?食だけで、そこまで言われなきゃなんないの?」
「さぁ、今こそ我々は食料に感謝する心を取り戻さねばならないのだ!!そのためにも、私は闘い続ける。
良い匂いがすれば飛んで行く!!美味い料理には食らいつく!!
誓おう!!食への尊厳が取り戻されるまで、私は闘い続けると!!」
「いやお前色々言ってたけど、どさくさに紛れて自分のやったこと正当化しただけだろうがぁぁぁ!!
「なんて素晴らしい演説!!感動した!!」
「何で!?どこに感動出来る要素があんの!?」
男は、ぎゃあぎゃあ騒いでいたが朝から一仕事したせいか、体力が底をつき近くにあったイスに倒れこんだ。
男は残り少ない力を振り絞り、顔を上げて言う。
「もう長々した話はいいから、早く昼飯食え。お前にこれ以上暴走されたら、俺の体がもたねぇし……」
「ごちそうさまでした~!!」
「おいぃぃぃ!!すでに完食してんじゃね~か!!この僅かな間に一体何が起こったぁぁぁ!!」
「時として人には理解出来ないことがおこるのさ!!」
「うるせぇよ!!食欲旺盛なだけじゃく、早食いの世界チャンピオンにでもなるつもりか?少しくらい味わえ!!」
「分かってますよダンナ。皿くらい自分で洗いまさぁ!!」
「いや、もうキャラも口調もメチャクチャだろうがぁぁぁ!!何なの!?何なのお前!?何がしたいの?」
このまましばらく体力が少ない男と、元気で予測不能な男の子のドンチャン騒ぎは続いた。昼食が終わると、くたびれた手つきで男は皿を洗い出した。
当然、男の子には逃げられた。
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