29人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
初春で寒さが残る三月。
そんな中、比較的温暖な気候の地域で、約1ヶ月のキャンプは行われる。
ウォーミングアップ、基礎連、全体練習、個人練習といったメニューをこなしていき、球春到来に向けて調整をしていく時期。
自分の調整方法を知るベテランは、自分のペースで黙々と練習をこなしていく。
対して剛紀たち若手は、アピールをするため、ただがむしゃらに一瞬一球に全力を注ぐ。
自分以外の若手が頑張れば頑張るほど、更に自分は頑張らなければならない。
だから、基盤がしっかりしていない若手は、毎年キャンプの中盤で疲れで失速する。
だが、人一倍……いや、二倍も下半身の強い剛紀は、キャンプ二週目になっても失速することはなかった。
むしろ、プロに慣れをも見せ始めている様にも見えた。
最初のコメントを投稿しよう!