ドラフト指名

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六年生になった剛紀と小島は、互いに高めあっていたこともあり、どちらも白黒つけられないほどに上手くなっていた。 ただ、パワーなら剛紀、肩の強さなら小島といった違いを除けばの話だが。 なんにせよ、剛紀は四番として、小島はエースとして、小学生離れした活躍を魅せた。 剛紀が大会で90メートル弾を放てば、小島は一試合13奪三振※1を記録。 まさにマウンドでは小島の、バッターボックスでは剛紀の独擅場だった。 そんな2人は少年野球時代を華々しく終えて、同じ地元の中学校に進学。 しかし、剛紀が中学校の軟式野球部に進学したのに対して小島はシニアチーム※2に入った。 ※1 少年野球は五回まで。つまり15人の打者と対戦。小島は振り逃げ無しの13奪三振だから、ひとりで13人アウトにした。 ※2 シニアチームとは、中学生のために硬式球を使った野球をする団体。
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