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だけどその時はミツキを無言で振り払って逃げた。あのまま抱きしめられたままだったら今の状況の全てを見とめてしまっただろう。それに何より抱きしめられるのが恥ずかしかったのだ
<次の日>
今日はいつもよりも早く目が覚めた。俺は何となく部屋を見渡す。俺の家は部屋が八畳ほどのアパートだ
今改めて見ると三人で暮らしていた頃、狭く感じていたこの家も今は広すぎるような気がする
そんな事を考えていたらチャイムが鳴った。ちなみに今は朝の七時だ。
「(こんな早くから誰だ…?)」
眠気眼でドアを開けると
「おはようっ!」
玄関前にミツキがいた
「即刻おかえりください」
「おい待てって!ドア閉めるな!挟まる!挟まるから!」
あまりにもミツキが騒いでこのままでは近所迷惑なのでしぶしぶミツキを家に入れた。どうやらホントに朝飯を作ってきたらしい
「今日は握り飯だ!存分に食べろ」
手に持っていた袋からアルミホイルで包んだ握り飯が五つ出てきた。何故ミツキの手が絆創膏だらけなのかは知らないが握り飯の見た目は悪くなかった。とりあえず一つ手ごろな位置にあったのを食べてみた
「…お前、これに何かけた」
「…?塩だが?」
「…甘ったりいぞ、これ」
それを聞いて急いでミツキも握り飯を頬張った。案の定甘ったるかったらしく、失敗に気付いてワタワタしていた。それを見てたら何故か笑えた
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