1人が本棚に入れています
本棚に追加
しょうがなく私は頼りもなくこの見知らぬ街をさまよった。
するといつもより早く日が暮れる…
不安と寂しさが夜の冷たい風に紛れて一気に私を襲う。
つい我慢できずに泣いてしまった。
何年ぶりに泣いたんだろう…あの時以来かな…
街のかどで膝を抱え綺麗な星空を眺めるしかなかった…いつもの夜と違って死んだように静かで…光は星明かりだけ…
なぜか不思議にこのままずっと空をみていたいと思った。
そして思い出した…あの時のこと…私が何で泣いたのか…
…
「ああー!心奈の大好きなあー…っ」
「もっもう都ー!やめてよー!聞こえちゃうじゃない!!」
高校の時の私は話すことがあまり好きじゃなくてどちらというと暗い印象だったかもしれない。
唯一の友達が都だった。
ただしそんな私でも…好きな人がいた。
1つ上の先輩でかっこよくて優しくて…きっと私なんか眼中にないだろうけどあの時はただひたすら大好きだった。
「あいつ女遊んでんだぞ」
「諦めたほうがいいよ!」
「バカでしょあははは」
…
なぜか好きってことがバレて、なぜか私はいじめの対象になった。
都がそばにいなかったら私はもうここにはいないかもしれない。
告白してないのに私の初恋はあっという間に悲劇へと変わった。
だから…今の私ができあがった…
もう「恋愛」という単語に対して麻痺になった。
…
「あい!そこのお嬢さん!夜中に一人はよくねぇぞ!」
「え?」
頭を上げてみると…
「きゃっ超イケメン!」
「へぃ?何言ってんだ!」
あっ!思わずいつものように叫んでしまった。
だけど…
最初のコメントを投稿しよう!