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浦原商店へ戻る途中、不思議な少女を見た。
見た感じは普通の少女なのだが、何処となく自分と同じ気配を感じた。
その気配はまた微妙で、別の何かを引きつけて居るような……そんな感じだった。
「欠魂…?……いいえ、もしかして思念珠?」
浮かんだ疑問は己自身では解決できない。
帰り道を急いだ。
何といってもそこに己の副隊長が居るのだから。
少しくらい副隊長としての仕事を押し付けても文句はないだろう。
「思念珠……ですか…」
「まだ決まった訳ではないのですが……副隊長、調べてみてはくれませんか?」
「思念珠が合ったとすれば、欠魂は何処に?」
「もう!それを調べるのが副隊長の仕事だと申し上げて居るのでしょうにっ!!!」
「は…は、い……」
静の気迫に負けた堕墜は、重たそうな腰を上げ奥へと消えて行った。
隣にはルキアと恋次が居た。
一護は学校だと言う。
虚を感じて抜け出して来たのだが、ルキア達が付いた時にはもう終わっていたと言う。
それはそうだ。
静があらかた片付けてしまった後なのだ。
虚が居なくて当たり前だ。
「それにしても、零番隊の隊士が現世に居たとは初めてだ」
「そうね。私たち零番隊は巨大虚以上の虚の討伐が多いですからね。滞在しての現世任務はほとんどありませんでしたから」
「それだけ活発になりつつある、という事ですか?」
「それは無い、って隊長は仰っていたけれど……そればかりは解らない」
活発になっているのか、それとも欠魂や思念珠たちが出てきているから活発に動き出しているのか……どれも憶測の域を超えない。
深く溜息を吐きだし、天井を見上げた。
これ以上はどうにもならない。
「ところで霧風三席、一護に会いたいとか仰りましたが……」
「あぁ、言ったわね。此処の代行をしている方に挨拶するのは礼儀でしょう?本来ならば隊長が出向くことに成っていたのを、私が代理で来たのですから」
苦笑した。
妙に納得したルキアは、時間を見計らって一護宅へ行くことを提案した。
勿論願っても無いことだった為あっさりとその提案を受け入れた。
「それにしても……霧風三席、その姿様に成ってますね」
「そぉ?きっと隊長と副隊長の趣味よ」
そう一蹴した。
ルキアと恋次は互いに顔を見合わせ、苦笑した。
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