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赤と白の何者……欠魂。
茜雫が思念珠なのだから、思念珠を求めて欠魂が集まるのだ。
「風華の舞」
色々な花弁が静と茜雫を包む。
もう一度風が騒ぐのが解り、喬美扇を右から左へと振る。
「風神の舞!!」
金属がぶつかる音が耳鳴りのように鳴る。
図体のデカイそいつに睨んでやるが、睨んだところで……という具合だ。
「勘の良い奴め」
「何者よ!」
茜雫が叫べは、彼らは茜雫に『一緒に来てもらう』と自分勝手なことを話し始める。
そんなこと勝手なことはさせない。
「まったく……どうして、こんなに人が多いのよ…」
「静…」
「大丈夫ですよ、茜雫。私が何とか守って見せます」
喬美扇を握り直して、喬美扇を閉じた。
スッと上にあげれば、空から雷鳴が鳴り響く。
茜雫も斬魄刀の柄を握った。
その手を空いている手で押さえれば、顔を見上げて来た。
「邪魔、させない。……鳴り響け、轟け…風雷の舞!!」
豪快に落ちてくる雷は、敵味方関係無くこの墓地へと落ちてくる。
ニヤリと笑う静は茜雫の手を掴み、その場を飛翔した。
静の居た場所に高密度の霊圧の矢が飛んできた。
地面に当たるとその場所を窪ませた。
「遅い、琉焔七席」
「そう言わないで下さいー。ついさっきご飯食べたばかりなんですからー」
「言い訳しないの。終わったら、甘味物上げるわ」
「……霧風三席ぃ、ちゃんと下さいねー」
弦を引いた手を離すと、凝縮された霊力の矢が一斉に降り注ぐ。
夜行の斬魄刀は弓へと変わる。
矢は自分の霊圧を矢に換え、放っている。
執拗に茜雫を狙ってくる彼らに、舌打ちをした。
「琉焔七席、気を付けてね。……風水の舞!」
「はいぃ?!」
斬魄刀へ霊力を送り吹き飛ばした。
空中で使ったのは初めてで。
夜行は地面へと叩きつけられた。
勿論、茜雫を狙った彼らも。
「黒崎!茜雫を」
「お、おう!」
茜雫の首根っこを持って、一護に向かって投げつける。
勿論風の加護を得て、邪魔されないようになっている。
一護に任せておけば大丈夫だと、苦笑した。
『時が満ちてない』と言って去って行ってしまった。
取りあえず、茜雫を一護のところで保護して貰い、静は夜行を連れ甘味を買う事にした。
勿論現世のお金は浦原商店で換金して貰っている。
どれくらい注ぎ込まれるのか恐ろしい所だが。
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