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俺の六畳のフローリングの一人部屋には、ベッドとテレビ、本棚、小さなテーブルが置いてある。ベッドを置いただけで大分狭くなるので座って漫画を読むくらいしか出来ない。床には雑誌や漫画が散乱していて酷い有り様だった。
片付けとけば良かったな…と、後悔は後の祭…。
「保科さんの匂いがするー!」
両手を万歳するかのような恰好をしながら篤史が言う。
「お前、ストーカーみたいだからやめろよ」
と冗談を言いながら、漫画達を本棚に片付けていると、篤史が急に後ろから俺の腹に手を回して抱きついてきた。
不意打ちについ、間抜けな声を出してしまい恥ずかしくなる。
「ほぇっ!?篤史?」
「保科さん…」
篤史の声がいつもの調子ではないことに気付き、心臓が高ぶった。
「あ、あの篤史…ジュースでも飲もうぜ?」
『本当は続きをして欲しい。このまま篤史に身を任せたい。』でも照れやすく、素直じゃない俺はそう、篤史に言うことが出来ず、ごまかすようにジュースを飲もうと言ってしまった。
篤史…離れちゃうのかな…
そう思った時…
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