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「保科さん、今日保科さんのお家にお邪魔して良いですか?」
「え?良いのか?」
「はい、今日は親がいないので…少し遅く帰っても平気ですから」
「おう、じゃあ来いよ」
「楽しみですね~」
急に篤史が俺に抱きついてきた。俺は内心すごく嬉しかったが同時に周りから見られているので恥ずかしい気持ちもあり、篤史を小突く。
「や、やめろよ篤史!ここ体育館だぞ!」「良いじゃないですか!愛情表現です♪」「わぁああ!顔を近付けるなあ!離れろ離れろおお!」
俺達二人の光景を見ていた聖悟と柚太。
「相変わらず篤史は凌雅離れが出来ていないようだな」
「良いじゃん良いじゃん!俺は羨ましいけどなっ。…聖悟は、羨ましくないの?」
聖悟は俺達から柚太に視線を向き直し、優しく微笑みながら言った。
「ああ、羨ましいさ。正直な。だが、このような大勢の前で柚太に抱きつき柚太の可愛らしい表情を誰かに見られたら、俺は嫉妬で頭がおかしくなるからな。」
柚太は嬉しさと照れが混ざった表情をした。
「聖悟ってば…」
「柚太…俺が3月にそつぎょ…」
「おい!馬鹿ップル!ミーティング始めっからこっち来い!」
聖悟と柚太が何やら話をしていたようだったが、俺は気付かずにバスケ部が集まっている体育館の隅に呼んだ。
「聖悟…?」
「いや、何でもない…行こうか柚太」
聖悟はまた優しく微笑むと柚太の手を引き俺達の方へ歩いて来るのだった。
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