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部活が終わり、着替えを済ませると篤史は俺を急かした。
「保科さんっ♪保科さんっ♪」
わくわく♪という擬音が聞こえてきそうなくらい浮かれている篤史を尻目に俺もはいはいとワイシャツを頭から被るように着る。
「あ、Tシャツ着んの忘れた」
ワイシャツの下にTシャツを着ず、素肌だったことを思い出し、Tシャツを着ようとすると篤史が制止する。
「良いじゃないですか、着なくても」
「素肌にワイシャツなんて気持ちわりーんだよ!手どけっ」
俺は気にせずワイシャツを脱ごうとした、その時―。
バンッ
篤史がロッカーに俺を押しつける。そして俺の両手を篤史の両手が押さえ込むように掴んだ。
「なっにすんだよお前!」
篤史の表情は柔らかい。うっすら微笑んでいる。
「だからー、これから保科さんちに行くんですよ?着なくても良いじゃないですか」
良いじゃないですか、のセリフはにこりと笑っていた。
「それってどういう意味だ?」
意味が理解出来ない俺は篤史に尋ねる。
「わかんないですか…えーと…俺が保科さんを脱がしちゃうから、脱がすものは少ない方がはかどるってことです♪」
「なななな、なんだよそれ!はずいこと言うな!」
俺は恥ずかしいと怒りながら、正直…楽しみだった。
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