14人が本棚に入れています
本棚に追加
うちの台所は狭いのに、冷蔵庫からジュースを取り出す時も、棚からポテチを取り出す時も常にぴったりと俺の傍から離れない、忠犬ハチ公のような篤史。
俺はつい
「犬みてぇだな…」
と呟いてしまった。やべっ!っと思い、篤史を見ると、意外な反応をしていた。
「良いですね、俺が犬なら保科さんは媚びるにゃんこですか?にゃん!」
招き猫のポーズをしながらへらへら笑う篤史を見て、つられて俺も笑う。
「…って、俺が媚びる猫ってなんだそれ!」
「だってえっち中の俺を求める保科さんのひょうじょ…」
そこまで言った篤史の口を手でふさいで、慌てて俺は大声を出してごまかす。
「あーわーわーわー何も聞こえねーあーわーわーわー!」
篤史はそんな俺の顔を見てふふふっと笑みをこぼした。
・
最初のコメントを投稿しよう!