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「…お父さん?お母さん?」私は目がもうろうとする中、お父さんとお母さんを探した。そこへ、先生が来て…
「空ちゃん、目を覚ましたんだね。よかった…。」
と、それだけ言って黙ってしまった。私はお父さんとお母さんのことが気になり、先生に聞いてみた。きっと、他の病室にいるのだろうと思っていた。
「空ちゃん、大事なお話だからよく聞いてね。…空ちゃんのお父様とお母様は…先程お亡くなりになられました。」
私は頭が真っ白になり、声が出なかった。
その日の夜、私は涙の海ができるぐらい泣いた。泣いて泣いて、とにかく泣いた。服も枕も、雨にぬれたみたいに冷たくなった。でも、涙でぬれた服より、枕よりも、自分の胸の中が一番冷たかった。胸の中は洗濯ができない。この気持ちは洗い流すことなどできないんだって思った。
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