翌日

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私は病室に戻った。 「はは…こんなことになるなんて思ってもみなかったな。良く、お父さんとお母さんに“もし明日死んじゃうって知ったら、お父さんとお母さんなら何する?”って聞いてたっけ。…まさに今の状況…私は…私は何したい?何をするべきなの?」 徐々に血がたまっていく小さな頭で、精一杯考えた結果、思いついた。 「私の好きなこと…そうだ、外遊び!お外で思いっきり遊びたい!」 そこへ看護士さんが来て「大丈夫?」 と聞いてきた。だから、私は 「全然大丈夫ですよ!ほら、この通り!」 と、とびっきりの笑顔を見せた。きっと、絵で描くニコちゃんマークなみの笑顔で。 「あっ、そうでした!あの、明日はお外で思いっきり遊びたいんです!だから、看護士さんも一緒に遊びませんか?てゆーか一緒に遊んでください!」 看護士さんは、にっこりと微笑んで、こくんと頷いてくれた。何のためらいもなく。私は、なんだかワクワクしてきた。そして、晴れることを願って、てるてるぼうずを作った。 「てるてるぼうずさん。あなたならできる…どうか明日を晴れにしてください!」 私は、てるてるぼうずにそうしゃべりかけた。胸の前で手を合わせ、いっぱいいっぱいお願いをした。そしたら、てるてるぼうずが頷いてくれたような気がして、晴れると信じていた。
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