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あたしはプイッと、一真のいない方を向いて頬を膨らます。
そして1秒後には、自分の言動に後悔した。
あぁ…またこんな、かわいくないことを…。
「聞こえるわけねーし!…てか葵さ、今の言い方、ヤラシくない?」
言っていることがわからず、キョトンとして一真を見つめる。
立ち止まったあたしに一歩近づき、一真は、あたしの目を真っ直ぐに見ながら、顔を近づけてきた。
え…?
瞬間、一真に聞こえるんじゃないかって思える位の胸の高鳴り。
そして同時に忙しなく動き出す、心臓。
1センチずつ、でも確実に縮まる、距離。
ち、近いってば…!
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