戸惑い

4/19
前へ
/493ページ
次へ
  朝、いつもより早起きして支度する。 ママに驚かれながら、少し早く家を出た。 「おはよ」 「…おはよう」 冬也君はもう、待っていてくれた。 いつかの一真のように、壁に寄りかかって。 …携帯は、持っていなかったけど。 「行こうか」 冬也君に促されて、ゆっくりと歩きだす。 なんとなく気恥ずかしくて、少し距離をあけて歩いてしまう。 歩きながら、横からちらりと冬也君の顔を盗み見る。 …背、高いなぁ。 どう見ても、頭一個分は上に見える。 相変わらずキレイな顔立ちと、長い睫毛。 「そんなに見られると、照れるんだけど」  
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加