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朝、いつもより早起きして支度する。
ママに驚かれながら、少し早く家を出た。
「おはよ」
「…おはよう」
冬也君はもう、待っていてくれた。
いつかの一真のように、壁に寄りかかって。
…携帯は、持っていなかったけど。
「行こうか」
冬也君に促されて、ゆっくりと歩きだす。
なんとなく気恥ずかしくて、少し距離をあけて歩いてしまう。
歩きながら、横からちらりと冬也君の顔を盗み見る。
…背、高いなぁ。
どう見ても、頭一個分は上に見える。
相変わらずキレイな顔立ちと、長い睫毛。
「そんなに見られると、照れるんだけど」
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