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「そう?」
「だって…今まで、そんなこと、言わなかったもん…」
「もう遠慮しないって、言ったでしょ」
あたしが赤くなった顔を落ち着かせようと、右手でパタパタ扇いでいると、冬也君はにっこりと艶っぽい笑顔であたしを見ていた。
そんな冬也君に、扇いでいた手を止めて思わず見惚れていると、冬也君は身体を起こしてゆっくりとあたしに近づいてくる。
息を呑んで思わず身構えるけど、昨日の事がフラッシュバックして、…動けない。
そして、耳元で触れそうなくらい近くで、囁いた。
「葵の頭の中、俺でいっぱいにしてやりたいから…覚悟してね」
冬也君の吐息が熱くて、あたしはさらに顔を赤くしたんだ──。
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