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「えぇーっ!?」
ファーストフード店の2階に、優花の声が響きわたる。
一瞬にして周囲の注目を浴びたけど、声の出所だけを確認すると、すぐに注目は解かれた。
テーブル席にあたしと優花が向かい合って座り、優花の隣に座ったまりのも、ポテトを口に入れたところで固まっていた。
「優花、声!」
あたしは人差し指を口に当てて、押さえ気味の声で言う。
学校から近いファーストフード店に移動し、問い詰められたあたしは、昨日の出来事をたどたどしく話していた。
「一真のことはともかく、…冬也がねぇ。…よっぽどそそられたんだろうね、葵の泣き顔」
「ゆうかっ!」
「葵、声」
思わず大きな声を出したあたしを、今度はまりのが止める。
あの悪戯っぽい顔で、ニヤリと口角を上げた優花は、あきらかに楽しんでいることが窺えて、あたしはキッと睨んでやった。
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