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「冬也君…あたしのこと…好き、なのかな」
俯きながらポツリと呟く。
少しの間があって、
「はぁーっ!?」
またまた優花の大きな声が、店内に響き渡った。
そしてまりのの、大きなため息も。
さすがにもう誰も何も言わない。
周囲の注目も、気にならなくなっていた。
あたしは優花の「バカじゃないのっ!?」とでも言いたげな表情を見つめて、なんだか泣きたくなるような心境に陥ってしまった。
「…だ、だって、好きって、言われたわけじゃないし…。慰めてくれただけかもしれない、し…」
あたしはもう優花の顔を見ることが出来なくて、俯いたまま半泣きで、何とか絞りだす。
そんなあたしにおかまいなしで、さらに優花はマシンガンのように捲くし立てる。
「あんたねぇ…。こーんな風にされて、キスされて、抱きしめられて、俺のことだけ考えて欲しいなんて、冬也が冗談で言うわけないでしょっ!いい加減気付け!」
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