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「…いひゃい…」
優花はあたしの頬を両手で包み、ぐにっと力をこめてあたしの頬を潰した。
まぬけな顔をしたまま優花を見つめるけど、なかなか解放してくれず、頬が痺れ始める。
優花は眉を寄せて、窺うようにじっとあたしを見ていた。
怒っているとはまた別の、なんだか切ない表情をしたまま。
ゆっくりと力を緩めて、でも両手はあたしの頬に添えたまま、視線を一度下に落としてからまたあたしの顔を見た。
それはまるで、何かの覚悟を決めたようで…。
あたしは自然と、全身に力が入った。
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