戸惑い

14/19
111人が本棚に入れています
本棚に追加
/493ページ
  「…いひゃい…」 優花はあたしの頬を両手で包み、ぐにっと力をこめてあたしの頬を潰した。 まぬけな顔をしたまま優花を見つめるけど、なかなか解放してくれず、頬が痺れ始める。 優花は眉を寄せて、窺うようにじっとあたしを見ていた。 怒っているとはまた別の、なんだか切ない表情をしたまま。 ゆっくりと力を緩めて、でも両手はあたしの頬に添えたまま、視線を一度下に落としてからまたあたしの顔を見た。 それはまるで、何かの覚悟を決めたようで…。 あたしは自然と、全身に力が入った。  
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!