戸惑い

16/19
111人が本棚に入れています
本棚に追加
/493ページ
  一呼吸おいて静かに切り出した優花は、俯いたままで、言い過ぎたと後悔しているのがうかがえる程に小さくなっていた。 「気付かせてくれて、ありがとう」 あたしがそう返すと、優花は静かに顔をあげて、眉を下げて小さく微笑む。 大丈夫だよ。 優花の言いたいこと、ちゃんと届いたよ。 「葵は、誰が好きなの?」 沈黙を破るように切り出したのは、まりのだった。 「一真」 下を見つめていたあたしは顔をあげ、即答する。 「答えが決まってるなら、大丈夫だよね」 うん。 大丈夫。 ちゃんと出来るよ。  
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!