新しい恋

36/48
前へ
/1367ページ
次へ
その仕草が何とも色っぽい。 「なっ、何でもないです」 慌てて目を逸らして、近くにいる店員を呼びつける。 「何照れてるんですか?」 「照れてないですから」 クスクス笑う瀬川さんを尻目に、店員に味噌ラーメンと餃子を注文した。 「…瀬川さんってSっぽいですよね」 お冷やを口にしながら、何となく思っていた事をポツンと呟いてみる。 「ハハッ…よく言われます。自分ではあまり自覚はないんですけど」 「…自覚した方がいいですよ」 「そうですね。…では、夕子さんはMですか?」 その質問に「ぶっ!」と口に含んでいた水を吹き出してしまった。 「これ…ラーメン屋でする会話ですか?」 お絞りで口元を拭う私に、瀬川さんは意地悪く追い込みを掛けてくる。 「夕子さんから言い出したんじゃないですか」 「…そうですけど」 あぁ…こんな話題出すんじゃなかった
/1367ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25396人が本棚に入れています
本棚に追加