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この人…優しそうな顔して真性のサディストかも。
「…瀬川さんって、意地悪ですね」
瀬川さんから貰ったチャーシューを噛み締めながら、恨みを込めて呟く。
「かわいい子はいじめたくなるんです」
そんな皮肉もサラッと交わされる。
やっぱり大人だなぁ…
この人といると、なんか自分が幼く感じる。
自分では成熟した大人の女でいたつもりだったけど。
実は根が子供っぽいのかな?
…麻奈の事、馬鹿に出来ないじゃない。
眉間に皺を寄せながらチャーシューを噛んでる私を見て、瀬川さんが苦笑する。
「夕子さん、さっきから気になっていたのですが…右側で噛むのは癖ですか?」
「え…?」
その質問に、私は咀嚼を止める。
「片側ばかりに偏るのは感心しませんねぇ…」
一瞬、瀬川さんの瞳がギラリと光った、様な気がした。
「…は…い。気を付けます…」
瀬川先生の厳しいチェックに、私はすっかり萎縮してしまった。
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