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「それで、式は来年の今頃で…」
「そうですね。式場を押さえておかないと…」
「遠藤さんの方はどれ位の人数に?」
「ウチの身内はだいたい…」
すっかり意気投合した、ダブル母による打ち合わせに、父、私、圭吾の三人は全く口を挟めない。
「…俺等の式なのに」
ムッとしながらボソッと呟いた圭吾は、グラスに残った烏龍茶を一気に飲み干した。
確かにそうよね…
二人の事は二人で決めたい。
けれど、打ち合わせに夢中なダブル母の横顔はキラキラと輝いていて、とても楽しそう。
「圭ちゃんたら怒らないで頂戴よ。母さんの時だって親に勝手に決めちゃったんだから」
「だからってさー…」
「息子の晴れ舞台となると余計に気合いが入っちゃうのよねぇ」
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