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"青谷区役所"
いよいよ、か…
眼前にそびえ立つ、鉄筋コンクリートの大きな建物を二人で見上げる。
「やっと…」
微かに発せられた圭吾の声と同時に、繋がれた手が離れた。
「…圭吾?」
不思議に思い、彼の顔を覗き込む。
「やっと…この日を迎えられた」
感無量、といった表情で呟く彼。
「…嬉しい?」
私の問い掛けに、圭吾は満面の笑みで
「当たり前じゃん!」
即座にそう答えてくれた。
圭吾はスーツの内ポケットから婚姻届を取り出す。
そして、一つ深呼吸をすると、私の手を取り、指と指を絡めて強く握ってきた。
「行こっか」
「うん…」
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