入籍と母の企み

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半ば引き摺られる形で窓口の前に到着。 「…夕子サン、本当に出すよ?」 「…うん」 圭吾の手にしている紙を窓口に提出した段階で、私は遠藤夕子となる。 大丈夫、私は彼を信じて共に歩んで行くんだから この先もずっと、彼を愛して行くって決めたんだから 大丈夫…うん、大丈夫 「夕子サン、顔強ばってるよ?」 圭吾が私の顔を覗き込んできた。 その表情は不安げ。 「え…そんな事ないよ」 「…念を押すけど、これを出したらもう戻れないからね?」 「う、うん。分かってる」 今日の圭吾は、いつになく威圧感たっぷり。 「夕子サンの人生決まっちゃうからね?」 「そんな事言われたら決心が鈍るじゃない…」
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