入籍と母の企み

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ほぼ強引な感じで入籍を済ませ、めでたく夫婦になった私達は、区役所を後にすると、二人でジュエリーショップへと足を向けた。 「…こーゆーシンプルな形のが良くない?」 「うん、そうだね」 肩を寄せ合い、ショーケースを覗く。 視線の先には、キラキラと輝くプラチナのマリッジリング。 「いらっしゃいませ。マリッジリングをお探しですか?」 上品なオーラを纏った女性店員が、品の良い微笑みを携えて声を掛けてきた。 「店頭に並んでいる以外にも、いくつかカタログもございますよ」 「んー…どうする?見てみる?」 せっかく高い買い物をするんだし、二人が納得のいくものを探したい。 「うん、せっかくだから、見せてもらおっか?」 私がそう言うと、彼も笑顔で 「そだね」 と頷いた。
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