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そんな彼を慌てて制して
「何でもないよ。さ、行こう?」
努めて明るく言った。
だって、値段を見たら目玉が飛び出しそうだったから。
高くてとてもじゃないけど買えない。
「…ん…そだね。行こっか」
圭吾はショーケースの中をざっと一瞥したけれど、それ以上は特に触れてこなかった。
「疲れちゃったね」
笑顔でそう言うと、彼は私の手を強く握る。
「うん、早く帰ろ」
私も笑顔を作って頷き、彼の手をギュッと握り返した。
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