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私は、バッグからスマホを取り出すと、すぐさま母に抗議の電話を掛ける。
コール音を聞きながら、チラリと隣の圭吾の様子を窺う。
彼は、酷くうなだれた様子で制服を睨み付けていた。
凄く機嫌が悪そう…
口にはしないものの、母に対して、かなりお怒りみたいだ。
数回のコール音の後、不機嫌に黙りしてしまった圭吾とは対照的に、やたらハイテンションの母の声が聞こえてきた。
『はーい、もしもーし!!』
空気の読めない母に内心イライラしつつ、私は努めて平静を装う。
「母さん、今日はわざわざ足を運んでくれてありがとう」
先ずは先程のお礼を一言。
『そんな…いいのよー?改まらなくて。こっちも楽しかったし、あんた達の話も聞けたし』
「私達の話?」
『ずいぶん仲良くやってるみたいじゃない。若いっていいわね。お盛んで❤うふふ…』
…母さん、うふふ…じゃないから…
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