貴方の目になります。

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私には左腕が無い。 産まれた時はまだ有った。 でもあの日。 たった一日で左腕を無くした。あの日はちょうど。 塾の帰りだった。 友達と一緒に帰ってる途中。 私は交通事故にあった。 一瞬の出来事だった。 気がついたら病院に居た。 その時にはすでに。 左腕が無い状態だった。 私は絶望的だった。 「何でなん・・。」 泣いた。 沢山泣いた。 リハビリは辛かった。 腕以外にも重症な所があった。約5ヶ月の長期入院。 毎日が戦いだった。 痛みとの戦いは。 負けるかと思った。 午後3時からのリハビリ。 逃げたくなる程の痛みが。 私を襲ってくる。 涙が出る。 でもそんな私に気がついた。 一人の少年が。 「大丈夫ですか?」。 私は一瞬痛みを忘れた。 ふと顔を上げて見ると。 目の前に同い年位の少年が。 「痛いですか?」 「うん。」 私はびっくりした。 彼の手には杖があり。 看護師さんが。 「はじめまして、羅李斗です。彼は目が見えません。だけど今は角膜ドナーを待ってます。」私は唖然とした。 つづく
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