4th~二人の道~

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カードを見て確信した。 「―あなた…」 前を見るとすでに若い男はいなかった。 咲は店から飛び出した。 「―純一…?!」 周りを見渡すが、さっきの男の姿も見当たらない。 涙が溢れる。 「―何で…何で自分で来てくれないの…誰よあの男…」 咲はカードと花束を握りしめた。 カードのメッセージは 『エプロン姿、似合ってるぞ。逃げんなよ!』 と書かれていた。 咲は叫んだ。 「―絶対、世界一の花屋になってみせるから、あんたも世界一のアイドルになりなさいよ!!純一!!」 姿は見えないけれど、きっと純一はずっと応援してくれる。 信じてるよ。 私も応援してるからね。 咲は涙をふき、笑顔を見せ、店に入った。 .
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