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「―ジュンさん…」
純一は車窓から咲を眺めていた。
「―行かなくて良いんですか?」
サングラスをかける。
「―ああ。出して」
「―でも…」
「いいから、早く行け」
「―は、はい!」
咲は懸命に頑張っていた。
自分よりもずっと強い。
すると、車が発進する時に、咲の声が聞こえた。
「―絶対、世界一の花屋になってみせるから、あんたも世界一のアイドルになりなさいよ!!純一!!」
車で咲とすれ違う。
咲は泣きながら笑顔を見せていた。
「世界一って…ハードル高過ぎだろ。バカ」
呟き、純一も笑った。
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