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「......っ、いたっ。」
ポテチを大口を開けて頬張ろうとしたら唇が切れた。
てか下唇の真ん中辺りが裂けた。
そーいや、唇かっさかさに乾燥してたっけか。
裂けた感触への驚きと痛みで反射的に口を閉じたら、ポテチは俺の唇に挟まれ思いっ切り砕けて辺りに散らばってしまった。
あーあ、勿体ねぇ。
なんて思っていると隣で雑誌を読んでいた吉村がわあわあ騒ぎ出した。
「うわ、ちょっ、もおー。
お前、何散らかしてくれてんのよ!」
まったく、もおー。
とかなんとか言いながら散らばったポテチを取り敢えずティッシュの上に拾い集めている。
「いや、唇切れたからさ。
あ、血。」
指で唇に触れてみれば、僅かながら血が付いた。
「何、呑気に言ってんだよ、ほらっ。」
そう言ってティッシュをもう一枚引き抜いて差し出してきた。
思わず受け取ったは良いが、傷が大したことないと気付く。
でもそう言って返しても仕方ないし、返したら煩そうだから適当に唇を拭っておく。
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