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ふと、吉村の唇が目に付く。
そーいや、吉村の唇が乾燥してるとこ見たことないかも。
てか乾燥してる印象が一切ない。
いっつもぷるっぷるな気がする。
色っぽく艶めくその唇にそっと触れてみた。
「ちょ、なっ、何?」
「んー?
いや、ぷるっぷるだなぁと思って。」
そう答えながらも唇を弄び続ける。
一番ふっくらした中心から端へと指を滑らせる。
そしてまた中心へと滑らせ、ふにふに。
なんか気持ちいーな。
「は、はぁ?
な、何言ってんだよ。
も、やめろって。」
そう言って指から逃れるように視線を反らし俯く吉村の頬は淡く色付いていた。
その頬へそっと手を添えて、顔を上げさせてくちづける。
優しく触れて啄むようなキスで柔らかさを堪能してから、最後に名残惜しげにちゅっと音を立てて離れる。
すると俺の顔見た吉村が顔を近付けてきて俺の唇をぺろっと舐め上げてゆっくりと離れていった。
「血、まだ出てたからっ。
ティッシュで押さえとけ、ばか。」
なんて頬を赤く染めて照れながら言われたもんだから、不覚にもどきっとしちまった。
「お前が舐めてくれんなら、そんな必要ないだろ?」
なんとなく悔しいから、そう言ってとびきり深いキスをお見舞いしてやった。
fin.
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