変化

2/20
86人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
18歳の冬。12月22日。 もうすぐクリスマスというこの時期。 街を歩くカップル達は、いつもよりも浮かれている様に見えた。 それは俺が通う高校内でも同じで。 「私、クリスマスにあの人に告白するんだ」 「彼氏に明後日の夜空けていてって言われた~」 クラスの中で聞こえる会話は「告白」や「彼氏・彼女」といった単語が入るものが大半を占める。 そんな話題に興味がない俺は、窓際の自分の席に座って、ぼんやりと空を流れる雲を眺めていた。 はぁ……。 恋愛ってそんなに大事かねぇ……。 普通の高校なら今頃センター試験に向けての勉強が忙しくて、こんな腹の立つ会話は聞こえてこないだろう。 だがここは商業高校。大学入学は"指定校推薦"という学校からの推薦での物がほとんどだ。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!