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18歳の冬。12月22日。
もうすぐクリスマスというこの時期。
街を歩くカップル達は、いつもよりも浮かれている様に見えた。
それは俺が通う高校内でも同じで。
「私、クリスマスにあの人に告白するんだ」
「彼氏に明後日の夜空けていてって言われた~」
クラスの中で聞こえる会話は「告白」や「彼氏・彼女」といった単語が入るものが大半を占める。
そんな話題に興味がない俺は、窓際の自分の席に座って、ぼんやりと空を流れる雲を眺めていた。
はぁ……。
恋愛ってそんなに大事かねぇ……。
普通の高校なら今頃センター試験に向けての勉強が忙しくて、こんな腹の立つ会話は聞こえてこないだろう。
だがここは商業高校。大学入学は"指定校推薦"という学校からの推薦での物がほとんどだ。
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