短い愛の言葉

綺麗なもの

　
名刺には、カタカナで『アキラ』と表記してあった。

「あ、でもこれって普通源氏名なんじゃ……」
ホストとかキャバクラとか、そういう水商売関係って源氏名のイメージがあるというか……
「実は本名なんですよ。本名をこう堂々と使うと本名だと思われないと思いまして」
「成る程……」
悔しいが酷く納得してしまった。
そうか成る程……。

あ、
「スカウト、とかなんつってーハハ、」
……やらかした。
言ってから後悔してしまった。
何言ってんだ俺なんかもうナルシストみたいじゃないかあばばばば頭パァーンッ状態パァーンッ！！

「いいえ、違いますよ？求愛しようかと思いまして」
デスヨネー、デスヨネー、ハハッ
「……はっ？！」
恥ずかしさが一気に消え去った。
驚きで顔を上げると、悔しくも頭一個ぶん大きいであろうホスト、アキラさんか。アキラさんが爽やかに笑っていた。