綺麗なもの

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  朝方の歌舞伎町はおもしろい。 酔っ払って道端に倒れているおっさんと リバースされた妖精たち。 明らかにギラギラとしたキャバ嬢やホスト達に あぁなんかもう、気分転換をするにはとても適した場所だと俺は思う。 「綺麗なものが好きなんです。」 「っ、」 周りをキョロキョロと見ながら歩いていると、そんな声が突然して 気づけば目の前に男がたっていた。 「えっと……?」 突如現れた、イケメン……? 髪の毛は黒だが、きっちりセットしてあり 白いスーツに、開けたワイシャツ。 この人、もしかしなくても ホスト……? まぁ、一応 「酔ってます?よね」 「そうですね、アルコールは少し入っていますが、酔ってはないですよ」 俺の質問にホスト(仮)は爽やかに答える。 そりゃもう「そう、ですか……」としか言いようがない。 「突然ですが、お名前はなんとおっしゃるのか 聞いてよろしいでしょうか」 「あ、え、アキラです」 なんて丁寧な言葉を喋るんだろうかと感心していると、ハッと今自分の口から出た言葉に絶望した。 やっちまったーーー!!!!!!  
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