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「で、本題だけど、2人の今後の研究スケジュール聞かせてくれる?卒論っていったら、ちょうど今から1年後にはほぼ完成して、年明けには発表だろう?」
俺は豊橋先生から授けられた年間スケジュールを見ながら話をした。
「俺もそこまで真面目じゃなかったが、4年になったら就活で忙しくなるし」
「え、私も香奈も就職しないよ?院試受けるから」
割と重大な話だが、なぜかそれは聞いてなかった。
「そうなの。てっきり就職を考えてるもんだとばっかり」
まだ時間があると言えばあるが、院試を受けるとなると更に勉強を始めなければならないタイミングだ。
「まあ最近香奈と話してて、お互い折角心理学やるんだったら、院に進んで、資格取って仕事にしたいねって話になってさ」
臨床心理士か学校カウンセラーか悩むけどと言いつつ、大橋は砂崎も引っくるめて少し先の想像を話してくれた。
「だったら尚更研究は頑張ってくれよ。大橋は若年層のソーシャルスキルと自己効力感を絡めて書くんだよな」
はい、そうでーすと手を挙げる。
「まあお前はそれなりに吉沢先生と喋って適当に頑張ってくれ。バイトで大変だろうけど、それもお前次第だ」
それ以外に今の俺には言いようがなかったが、自分でも分かるほどさらっとしすぎたコメントに大橋も拍子抜けしたようだった。
「それより砂崎はどうするか考えてる?大橋みたいな予定はまだ決まってないって豊橋先生は言ってたけど」
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